「固定資産税、つまり不動産を持ってる人に掛かる税金は法務局にその不動産の登記をするからすぐ市役所に見つかるわ」
「法務局って?」
山本の説明を中断して田中が尋ねる。
「登記所もことよ」
「登記所?」
山本は田中を無視して説明を続ける。
「一方、備品は外から見えないし、登記する必要もないから市役所も分からないわ」
いつの間にかテレビから出てきた山本が短い言葉で問題点を指摘すると、やっと道理を理解した田中が少し興奮気味に発言する。
「そこで税理士が悪知恵を立派な服の大家さんに耳打ちしたんだ。税理士はキチンと申告させるのが仕事なんじゃ?」
「建前ではね。それで立派な服の大家さんはその税理士さんにどう対応されたのですか」
「当然、首だ」
「へー!」
[35]
田中が細い目を丸くすると質素な服の大家が感心する。
「勇気ある行動だ」
「なぜですか」
「個人情報のすべてを税理士が握っておる」
「なるほど!」
「アホか」
立派な服の大家がかんらかんらと笑う。でも発言する者がいないので自ら言葉をつなぐ。
「わしも税理士の個人情報を持っておる」
「どんな?」
「さっきも言ったじゃろ」
「償却資産税の申告をするなという脱税発言のことですか?」
「そうじゃ。税理士は脱税指南をしてはいけないのじゃ。わしは隠し立てせずにすべて申告しておる。まあ、少し特殊なやり方じゃが……それに税金を納める金に不自由しておらん。確かにわしはにわか成金じゃが、貧乏なとき金持ちになったらきちんと払うものは払おうと思っていた」
ここで立派な服の大家の目元が崩れる。
「正直言って、それまで余り税金を払っていなかった」
[36]
「やっぱり!そこがわしとは違う」
質素な服の大家が胸を張るが、立派な服の大家は恥じることなく言葉を続ける。
「先ほどの税理士に無理言ってウソの申告をしていた」
「その税理士を首にして正直に申告しているのはそのときの償いか?」
「貧乏なときは税金を敵視していた。でも余裕ができれば正しい申告はもちろんのこと、納税はキチンとすべきじゃ。しかし、今の世の中、逆だ。大金持ちほど脱税するし寄付もせん」
質素な服の大家が引き継ぐ。
「それどころか政治家が寄付金控除という制度を使って税金を少なく申告しているぞ」
すぐに立派な服の大家が引き継ぐ。
「つまり議員が政治献金と称して自分が属する政治団体に寄付して寄付金控除という税金が安くなる特例を受けてから、その団体にキックバックさせて金を受け取っておる」
山本が気色ばむ
「今まさに私たちのスタッフが取材して追求しています」
「議員は法律的に問題ない節税だと抜かしておる」
田中も憤慨する。
「仮にそうだとしてもその議員の人間性を疑う。モラルの欠片もない!」
「そうじゃ!もっとマスコミが突っこまなければならんのに、何をしておる!」
[37]
「取材を徹底させなかれば」
山本が頭を下げると両大家が頷く。
*
質素な服の大家が立派な服の大家に尋ねる。
「さて、新しい税理士を雇ったのか」
立派な服の大家が首を横に振るので全員が首を傾げる。
「申告は自分でするのか?」
「しない」
「じゃあ、誰にして貰うのだ」
「専門家じゃ」
「税金の専門家は税理士でしょ」
田中が立派な服の大家に尋ねながら山本を見る。立派な服の大家は首を横に振るが、山本は縦に振る。少し間を置いてから山本が手を叩く。
「税務署を辞めて税理士になった人に頼むんだわ」
「ブー!いい線を突いておるが、はずれ。退職した税務署員も税理士になるから、税理士だ」
「じゃあ誰に?」
山本が穴の開くほど立派な服の大家を見つめる。
[38]
「税務署の職員じゃ」
「えーっ!」
大合唱が起こる。
「現職の税務署員を雇うのか」
「アホ!」
「!?」
「はっはっはっ」
立派な服の大家が顔全体を皺くちゃにして大笑いする。笑いすぎたのか口から入れ歯が飛び出す。
「ふが、ふが」
落ちた入れ歯を慌てて拾うと口を大きく開けて納める。
「汚い!洗ったほうがいいわ」
「大丈夫じゃ。一〇数える間に拾えば、ばい菌は付かん」
誰もが呆れ返ってまじまじと立派な服の大家の口元を見つめる。田中がいち早く冷静になるとしっかりと尋ね直す。
「種を明かしてください」
「そうじゃな」
[39]
立派な服の大家が口元をぐっと引きしめてから応える。
「わしは何もせんのじゃ」
「申告しないということですか」
「そうじゃ」
「税務署は見逃さんぞ」
すごんでみせる質素な服の大家に頷きながら続ける。
「見逃してくれたらラッキーじゃが、あんたの言うとおり見逃さんじゃろ。必ず調査に来るのだ」
「おっしゃるとおり無申告だと当然税務署は調査に来ますね」
今度はその山本に頷きながら続ける。
「しかも団体でご登場だ」
得意満面な立派な服の大家に圧倒されて山本も田中も質素な服の大家も黙って話の続きを聞く。
*
マンションの応接室で立派な服の大家が数人の税務署員に頭を下げる。
「本日はご苦労様です。しっかり調べて税金を請求してください」
大家が立ち上がると机の引出を開けて鍵の束を取り出す。そして応接セットのテーブルに置
[40]
く。ガチャッとした音がしたあと大家がおもむろに告げる。
「金庫や机やこのマンションのありとあらゆる鍵と銀行の貸金庫の鍵やその他もろもろ鍵じゃ。
金庫の鍵には番号札を付けてある。すべて預けるから調べてくれ」
税務署員が驚いて大家を見つめる。やっと統括国税調査官という肩書きの中年の職員が口を開く。
「こんなものを預かる訳にはいきません」
しかし、大家は意にも介さず立ち上がる。
「わしは忙しい。あとはご自由に」
大家が部屋を出ようとする。
「待ってください。困ります」
「なぜじゃ」
「調査をしながら、伺わなければならないことが多々あると思いますのでお付き合いください。
それにお金や貴重品が無くなったりすると責任問題になります」
「あなた達は公務員じゃろ」
「はい」
「公務員が盗みを働く訳がない。わしは信用しとる」
「もちろんです。でも調査中にお聞きしなければならない……」
[41]
「今日一日で調査が済むのなら、いましょう。でも数日はかかるんでしょ。始めに『調査は少なくとも三日かかります』とおっしゃったのをお忘れか」
「それはそうですか」
「だったら三日目か四日目にまとめて聞いてくれればいいじゃないですか」
「とにかく困ります」
「わしも困る。なんぼでも払うから、よろしく」
さっさと大家が部屋を出るとドアが閉まる。
「待ってください」
国税統括調査官が立ち上がると大家を追いかけるがドアが開かない。
ドアの向こうからかすかに大家の声がする。
「自動ロックがかかったようだ」
「大家さん!開けてください!」
ドアを叩いて税務署員が怒鳴ると大家もドア越しに怒鳴る。
「ご心配なく。渡した鍵で部屋から出られる!ごゆっくりと得心のいくまで調査してください!明後日の昼過ぎに戻ります。万事よろしく!」
*
「それでどうなったんですか」
[42]
田中が代表して結末を急かす。
「いくつかの質問に応えただけで、数日後『決定通知書』と『納付書』が送られてきたのですぐ税金を支払った」
「でも罰金がかかったでしょ」
「もちろん。期限内に申告や税金を納めていないので無申告加算税と延滞税がかかった。もちろん、それも払った」
「無申告加算税が罰金ですね。延滞税というのは?」
「利息のようなものじゃ」
「ちゃんと申告して税金を払っていたらかからないのに、もったいないなあ」
ここで少しは税金の知識を持つ質素な服の大家がおもむろに口を開く。
「一〇億円も儲ければ所得税だけでも四億円近く税金がかかるはずだ。無申告の場合の罰金は20パーセントだと聞いたことがある。四億円に加えて八千万円も罰金を払ったのか」
「アホ。払った税金は二千万円ぐらい。加算税は四百万円ぐらいで延滞税は二十万円ぐらいだった」
「まさか!」
「わしの儲けの大半は配当と株の売買じゃ」
しばらく黙って聞いていた山本が口を開く。
[43]
「どういうことですか。私にはさっぱり分かりません」
立派な服の大家が山本を見つめて驚く。
「才女の山本さんとあろう者が?」
山本が電卓を叩きながら応える。
「解説委員は別としてニュースキャスターの知識は意外と低いのです。結局、税金のことなら国税庁や国税局に取材して理解するのが関の山です。いずれにしても、なぜ一〇億円も稼いで申告せずにほったらかしにしたのに罰金が儲けの0・4パーセント程度で済むのか理解できません」
「わしもこの間税務調査を受けた。入居者から預かった保証金のうち退去時に返さなくてよいお金は家賃と同じ収入だと言われて過去に遡って合計一千万円もの収入漏れを指摘された。税理士に伝えておくのを忘れた自分も悪いが、税理士は何も尋ねてくれなかった。結局三百万円余りの税金と五十万円近い過少申告加算税と延滞税を納めた。一方わしは税理士に年間五十万円支払っておる」
「わしなんかは五百万円だった。そんなに払っておるのに帳簿を付けろとか、契約書を見せろとか手間ばかり食う」
「同感だ」
両大家の意見が一致する。
[44]
「税務署員に来て貰って税金の計算をして貰えば間違いないし、手間もかからん。それに税理士に払う顧問料より罰金の方が安い。その時間でもっと他の商売ができる」
「なるほど。わしもそうしよう」
「ちょっと待ってください」
「質素な服の大家の場合一千万円の儲けに対して罰金は5パーセントですね。立派な服の大家のほぼ十二倍以上だわ。質素な大家さんの罰金は高すぎるわ」
電卓を叩き続ける山本に強く同調しながら田中が疑問を繰り出す。
「なにか、おかしいな。どんなカラクリがあるんですか」
「わしは改めて全員に言う。アホ」
田中は「アホ」と言われても気にせずに立派な服の大家に教えを請う。
「僕にはあまり関係ないことだけど、是非教えてください。とにかく不思議だ」
山本も目線で田中に追従すると立派な服の大家が話題を変える。
「ところで、こんなバカげた物語を書いておる著者のことを知っておるか」
誰も首を横に振って顔を見合わす。
「わしはリングラングと山本さんが合体したり、佐々木と田中さんが合体したり、そして分離したりしたとき、わずかな時間じゃったが、著者と意見を交わしたことがあった」
「えー!」
[45]
驚きの大合唱の中から抜けだしたのは田中だった。
「僕が主人公ではないのですか」
「逆田に騙されてテレビを買ったアホな男が主人公になるはずがない」
立派な服の大家が否定する。
「でもあのテレビの電源は僕がいないと入りません」
「そうね。田中さんに分があるわ」
「何を言う。わしが主人公じゃ」
立派な服の大家が立候補する。
「著者はこの物語は長編小説だと言っておった。おまえは前座に過ぎん。わしが主人公じゃ」
「さて、この先どうなるのかしら」
「山本さん。傍観者的な見解は止めてください」
「どうして?」
「僕はいずれ山本さんと結婚するんだと思います」
「えー!私……」
山本の言葉を遮って質素な服の大家が笑顔で田中を見つめる。
「今まではっきりともの申すことがなかったのに、なぜ急に断言した」
「いや、それは……僕も佐々木と合体したり……。そのー、何と言ったらいいのか、著者と何
[46]
度か会ったような、会っていないような……」
それを聞いた質素な服の大家が少し安心したような表情を浮かべながら田中の手を握る。
「誰が主人公であろうがなかろうが、読者が決めることだ」
ここで立派な服の大家が折れる。
「そうじゃな」
*
「話を元に戻しましょう。立派な服の大家さん。カラクリの説明をお願いします」
田中が提案する。
「十億儲け取ると言ってもじゃ、その儲けの中身が問題なんじゃ」
「中身?」
「所得の種類の違いじゃ」
「種類?」
「それなら知っています」
ここで山本が立派な服の大家に代わって説明する。
「株の配当は配当所得。預金の利息は利子所得。サラリーマンの場合は給与所得。そして退職して退職金をもらうと退職所得。モノ、典型的なのが不動産、それを売買して儲けると譲渡所得。大家さんのように不動産を貸して地代や家賃を稼ぐと不動産所得。魚屋さんや電気屋さん
[47]
や農家は事業所得。えーとそれから懸賞に当たると一時所得……山林所得っていうのもあったわ。それに……」
山本が指を折る。
「まだ何か抜けているわ。あっ、そうそう。年金は雑所得」
「へー、すごいな」
田中が目を丸くして山本を見つめる。
「税理士である著者から横槍がはいらんのう。そうすると山本さんの説明は合格なんだろう。さて、わしの所得のほとんどが株の配当と売買利益じゃ」
「高層のビルを十棟以上お持ちなのでは?ほとんどのビルの一階から三階までを店舗に四階以上をマンションとして貸してるんでしょ。すごい家賃収入が入るんじゃ?」
「そうじゃな。年間二〇億円は下らん」
「えー!二十億円」
「残念ながら、わしとは桁がふたつも違う」
質素な服の大家も田中と同じように驚く。
「まあまあ、そんなに驚くな。収入が二十億円でも経費がそれに近いぐらいかかっておる」
「どんな経費なんですか」
「さっき話した減価償却費がものすごい。じゃが、建てたときにドピャッと金が出て行くが、
[48]
あとは金が出て行かない経費で耐用年数まで毎年引けるから非常に助かる」
「それは先ほどの話でよく分かりました。でも始めに大金が必要……。あっ、そうか。レアメタルで大儲けしたんでしたっけ。話の腰を折ってすいません。ほかの経費は?」
「田中さん。まるで税務署員みたいだな」
ここで少し雰囲気が和やかになる。
「田中さんが税務署員だったら緊張せずに調査を受けることができる」
質素な服の大家の表情も緩む。
「固定資産税も高い。償却資産税も。損害保険料もすごいぞ。管理費もバカにならん」
「管理費?」
「管理会社に任しておるから細かいことまで分からんが、最も多いのは管理人やガードマンの人件費。それにエレベーターなどの機器のメンテナンス料。そうじゃ、原発事故以降、それに円安で電気代がすごく高くなった。思い出した。さらにこんな経費も……」
立派な服の大家の説明に少々飽きてきた田中がズバリ尋ねる。
「要するに賃貸事業の儲け……えーと不動産所得はいくらなんですか」
「二千万円ぐらいじゃ」
山本が飛びあがって驚く。
「二十億円も収入があるのに儲けはたったの1パーセントの二千万円しかないのですか」
[49]
「『たった』じゃないよ。山本さん。二千万円ってすごい金額だ」
「でも二十億円もお金が入ってきて残ったお金が一〇〇分の一よ」
「減価償却費が十億円もある。これはお金として出ていかない」
「そうでした」
「ところで何の話をしていたんだっけ」
「申告をしなかったので税務調査がはいって税金を納めたけれど、その罰金の額が滅茶苦茶少ないのはなぜなんだという話」
「そうそう。なぜなんでしょう」
「だから言っておるじゃろ」
「意地悪しないでそろそろ答を聞かせてください」
「わしの儲け、つまり所得のほとんどは申告しなくてもいいモノばかりなのじゃ」
「配当や株の売買の所得のことですね」
「忘れておった。利息もある」
「なぜ申告しなくていいんですか」
「証券会社が税務署の代わりに配当や株の売買の利益をその都度計算して天引きしてくれるのだ」
「そういえば利息も銀行が勝手に差し引いてるわ」
[50]
「僕なんか、差し引かれたことがない」
「そんなことないはずよ」
山本がバッグから預金通帳を出して、あるページを田中に見せる。
「たった二〇円しかない利息に国税三円、地方税一円、合計四円、差引十六円。ほら!」
「20パーセントもとられるのか。二十円ぐらいだったら見逃してくれればいいのに」
なぜここで田中が預金通帳を持っているのかということは不問として、田中はそう言いながら自分の預金通帳を開く。
「一円利息が付いているけど、税金は引かれていない。さすがに一円だから見逃してくれたんだ」
「一円に20パーセント掛けても切り捨てで税金はかからんのじゃ。正確に言うと国税の税率は15パーセント、地方税は5パーセント掛けて計算するのじゃ」
「この種の税金は申告しなくてもいいのか」
「そのとおりじゃ」
「大家さんの儲けの大半が利息と配当と株の売買だという意味がよく分かりました」
「しかもその配当と株の売買利益にかかる税金は利息にかかる税金の半分、つまり10パーセントなんじゃ」
「えー!」
[51]
もう何回、田中や山本が叫んだことか。
「貧乏人は株を持っていないし、ましてや株の売買なんかしたこともない。金持ちはいいなあ」
「まだある」
「何があるんですか」
「株の売買で損をしても儲けた分と相殺できるし、配当からも引いてくれる。だから安心して投資ができる」
「うらやましいな。金持ちは優遇されているんだ」
田中は単純に反応するが山本は違う。
「株の売買損失を配当から引けると言うことは、配当にかかった10パーセントの税金が戻って来るんですか」
「そうじゃ」
「利益が出ても10パーセント。損が出ると税金が戻ることもある。やっぱり田中さんの言うとおり金持ち優遇だわ」
「そうでもない。株式投資を活発化させないと企業の資金調達が円滑にできんし、起業する者もいなくなる。それに年金の運用先の選択肢が減る。経済が回らなくなるのじゃ」
「でも預かった資金を株に投資していた年金運用会社が投資に失敗して年金基金が破綻したりするわ」
[52]
「それは運用者の問題じゃ」
「『今度上場するからこの株を買えばぼろ儲けですよ』なんてお年寄りを騙したりしてるじゃないですか」
「それに証券会社は大口の得意先に損失補填する。逆に大口の得意先から接待を受けて情報を漏らしたりする。これは取材したので間違いのない事実です」
「詐欺はいかん。一方、特定の客をえこひいきするのは法律違反だし、モラルの問題じゃ。手数料目当てに売買の回数を増やそうと勧誘するのも問題じゃ。昔から証券会社はうさん臭いことをしてきた。だから『株屋』と見下げられるのじゃ」
「立派な服の大家さんの言うとおり証券市場が経済にとって大事なものなら、透明性を高めるべきです。でも不祥事が絶えません。何も日本のことを言っているのではありません。世界的に問題があります」
「山本さんの言うとおりじゃ」
ここで山本が神妙な顔つきをする。
「どうしたんじゃ」
「もし、政府や県庁や市役所が会社だったら、その会社の株式を買う人はいるんでしょうか。赤字財政で普通の会社でいう配当に当たる住民サービスがないとしたら、そんな会社の株を大
[53]
家さんは買いますか?」
「買わん。しかし、たとえば橋本市長のように頑張る社長なら寄付をする。最近背伸びしているのが気に食わんが、まず市政を充実することが大切だ。若いから先は長い。あせらず市政にうちこんで実績を重ねるのならもっと応援するのじゃが」
「最近の発言を見ると正論と性論を混同しておるな」
質素な服の大家に立派な服の大家が大きく頷く。
[54]